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生活科学科食物栄養専攻のシラバス


運動生理学(専門教育)

担当教員  児玉 昌彦
授業形態・単位等 講義、1単位
授業の概要   運動生理、病態生理に範囲を広げることで、ヒトの体の仕組みについて新たな洞察を得ることができる。戦後、日本は、食生活の欧米化によって、世界の長寿国になったが、他方では、外食、孤食など、新たな生活習慣病や社会問題を招いている。このようなめまぐるしい時代変化の中で、「食」の問題に対し、栄養士として積極的に発言できる。
学生の到達目標   病気の原因となるものが、微生物や化学物質など、外部環境から来るものばかりでなく、免疫やホルモン、自律神経など、内部環境に基づく部分が大きいことを実感できる。中でも、食生活や運動量の変化が、生活習慣病の主要原因になっていることが重要である。食と運動のメニュー作りが、日本人の今後を左右すると言っても過言ではない。
授業計画 1.感染症
 明治の伝染病、国民病と言われた結核、伝染病・拡大の要因、地球の歩き方、ウィルス感染からエイズ発症まで、生態系の断絶が疫病を生む。
2.生活習慣病
 糖尿病は万病のもと、高血糖の仕組み、メタボリック・シンドロームをもたらす内臓脂肪の蓄積とその特性、内臓脂肪が分泌するホルモンとコレステロールの運び屋・リポタンパク、狭心症と心筋梗塞、うっ血性心不全、不整脈の成り立ち、平安時代の脳卒中の男と脳卒中のメカニズム、血圧に及ぼすライフスタイルと食塩摂取、血中コレステロールとの国際的相関、動物によって異なる血圧の高さ、脂肪の蓄積は、厳しい冬を越すには、必要不可欠だったのだが。
3.がん
 胃がん/大腸がんを作る食事スタイル、乳癌/子宮頚がんを作るホルモン環境、癌の元になる感染症、発展途上国型のがん、先進国型のがん、発癌のパズルを推理する、化学構造に潜む発がん性のなぞ、培養細胞の段階的がん化、がんを作り易い性格、がんの自然治癒は可能か。
4.老化
 日本人の年齢別死亡率、年齢別死因ランキング、迷宮に生きる認知症患者、アルツハイマー病の発症メカニズム、脳血管性認知症との違い、痴呆老人から見た世界、甲冑の重みに耐えるパーキンソン病患者、命とりとなる誤嚥事故、加齢に伴う生理機能の低下と免疫能、老化はなぜ起きるのか、老人病の特徴、からだの中の海、怖ろしい脱水、更年期女性に多い骨折、寝たきりの廃用症候群、老人病治療のかなめ、免疫力アップ術。
5.難病
 脊髄小脳変性症の悲劇とその病理、筋萎縮性側索硬化症の病理、神経・筋肉の難病、難病に多い自己免疫疾患、全身性エリテマトーデス、自己免疫はなぜ起きるのか、アレルギーの条件、病原体と免疫系のバトル、慢性疲労症候群、免疫を左右する因子。
6.精神病・神経症
 統合失調症の世界とその病理、うつの病理、拒食症と依存症、恋わずらいという病、神経伝達物質の異常が招く精神の病。
7.運動生理学
 運動とエネルギー代謝、好気的/嫌気的解糖、運動が及ぼす生理学的効果、「美しく若く」歩くには、運動によるホルモン変化、ランナーズ・ハイ。
8.定期試験
9.講評とまとめ
 病気は時代や社会と共に変わる、医学の歴史と未来、再生医療。
準備学習  医療の問題は、新聞、テレビでも頻繁にとりあげられているので、そのようなトピックを切り口にして、自分で調べたり、討論できるようにする。運動生理の分野では、運動のプラスの面だけでなく、マイナスの面、たとえば、マラソン後のからだの変調や、ドーピングと高地練習の比較など、議論すべきことは多い。
評価の方法・観点  授業後の小テストと期末試験を参考にするが、求めるのは、「自分で考える」ことである。
メッセージ 医学、健康に関する質問、何でも受け付けます