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生活科学科食物栄養専攻のシラバス


解剖生理学(専門教育)

担当教員  児玉 昌彦
授業形態・単位等 講義、2単位
授業の概要   生物進化の立場から、全体を見直し、歴史的進化の過程を追うことで、消化器系、循環器系、神経系など、それぞれのシステムが、いかに洗練された働きに変わって、環境への適応度を高めてきたかを実感できる。食物の消化、吸収や栄養価の知識は、新しい全体像の中で自然に身につけることができる。
学生の到達目標   新しい全体像の中で、生命活動をとらえることで、生命とは何か、生きるとはどういうことか、考えることができる。「健康に良い」と宣伝されている機能性食品についても、批判的な目を養うことができる。
授業計画 1.オリエンテーション
 解剖生理学を学ぶ意味、人間とは何か、過去から未来への思考、他の教科、食物科学、文化論との関連性。
2.進化から見たヒトのからだ
 サルとどこが違うか、直立二足歩行で何が変わったか、手と脳の進化、子育てはどう変化したか、言語はどのように発達したか、集団の規模と文化。
3.消化器系・泌尿器系
 食物の消化はなぜ必要か、消化酵素〔外分泌)と消化管ホルモン〔内分泌)、自立神経系、食物を選別する免疫系、第二の脳と言われる訳、肝臓はからだの化学工場、解毒と水分調節のかなめ・腎臓。
4.循環器系
 多細胞生物を支える物流システム、酸素循環と生命、酸素の運び屋、産業廃棄物の逆利用、酸素なしで生き延びるには。
5.呼吸器系
 酸素の取り込み方いろいろ、魚類、鳥類、ヒト、ガス交換効率、気管支の木、肺胞というガス交換の場、喫煙の害、肺とホルモン・免疫。
6.神経系
 ニューロンの基本構造とグリア、神経系の概要、脳、脊髄、自律神経、体神経、脳の3層構造、間脳、大脳辺縁系、大脳皮質、内分泌・免疫系との接点。
7.感覚器系
 目の発明がもたらしたもの、食べるもの、食べられるもの、視覚のメカニズムと動物特性、聴覚器官と動物特性、超音波と第六感。
8.運動器系
 単細胞生物の運動器、アクチン、チュブリンからアクトミオシンへ、筋肉と骨、えら、肢、羽、働き方で変わる骨の形。
9.内分泌系
 分泌細胞の社会学、自己分泌,傍分泌、内分泌、内分泌系の概要,変態の化学、カイコ、ヒラメ、カエル、性分化の化学、性染色体,内性器から外性器へ、性ホルモンの峰、脳の性分化、月経・妊娠中のホルモン変動、性ホルモンの代謝相関
10.免疫系
 免疫系の進化、食細胞、T/Bリンパ球、免疫抗体M、A、G、E抗体は接着分子ファミリーの一員、免疫反応は免疫細胞の対話と選別による、T細胞のエリート教育、体内への通行手形・MHC、疫病でも生き残る人々。
11.細胞のプロフィール
 細胞都市、細胞骨格と代謝ネットワーク、ミトコンドリアと小胞体、染色体とクロマチン構造、受精と減数分裂、細胞の多様な生活と意見、赤血球、リンパ球、食細胞、脳細胞、聴覚細胞、水晶体、腎糸球体、骨細胞、歯象牙細胞。
12.心の科学
 幻覚の条件、詐欺、恋愛、集団催眠、認識の哲学、精神分析、無意識と情動、自己充実の罠、家族崩壊。
13.時間生物学
 からだの中の時計、ホルモン、自律神経、睡眠中に何が起きているか、レム睡眠、ノンレム睡眠、睡眠の化学、自律神経のリズムと環境、ルナーカレンダーと受胎、性によって異なる体内環境と病気、病と臨死の心理学。
14.演習問題
 前期授業の総括と関連の演習問題を解説、定期試験への助走、栄養士の実力試験から、消化器系、循環器系、呼吸器系を中心に。
15.定期試験
16.講評とまとめ
 定期試験講評と今後の応用への道
準備学習  生命は神秘にあふれている。分からないことも多い。その分からないことを、分かろうとあれこれ考える処に、学問の楽しみがある。知識も必要だが、知識だけでは前へ進めない。好奇心こそ、前進のエネルギーである。「人間とは何か」という人生の大問題にも、解剖生理学は新しい展望を与える筈である。
評価の方法・観点  授業後の小テストと期末の試験を参考にするが、求めるのは、「学問を楽しみ、自分で考えることを学ぶこと」に尽きる。点数評価にいたずらに走るのは、好奇心の芽を摘むものだと考えている。
メッセージ 授業を楽しんで下さい