ご 挨 拶

学校法人緑ケ岡学園理事長
釧路短期大学学長
西 塔 正 一

 わが緑ケ岡学園は、終戦後 二十年経過した昭和三十九(一九六四)年、道東の開発 にとって男子同様女子の人材 養成と文化の向上は重要課題 として、女子の高等教育の必 要性をかねてから唱えていた 岡野佐太二氏(初代理事長) や広大な土地を寄贈された 佐々木正雄氏(二代目)等の 並々ならぬ献身によって創設 されました。
  当初「釧路女子短期大学」 「釧路女子短期大学附属高等 学校」の二校のみでありまし たが、歴代の理事長等によっ て五十周年を迎えようとして いる現在、男女共学制の「釧 路短期大学」「専門学校釧路 ケアカレッジ」「武修館高等 学校」「武修館中学校」「釧路 短期大学附属幼稚園」を擁 し、幼稚園から短期大学まで 釧根唯一の私立の教育総合学 園として道東全域をはじめ北 海道、全国に活躍している人 材を輩出しています。
  また、本学園の建学の精神 は「愛と奉仕」であります。 初代の理事長がクリスチャン であり、設立当初、キリスト 教主義の学園とする方針であ りましたが、現在はその宗教 性はありません。ただ歴代の 理事長、学長、校長等が入学 ・卒業式等の挨拶の時、語り 告げられた重要性に鑑み、こ の殺伐とした世界には不可欠 な人類普遍の原理であるとの 認識で、以後わが学園、各学 校の建学の精神として、それ に基づく教育理念、教育方針 等として今日に引き継がれて います。
  釧路短期大学では、この精 神に基づいて、次の三項
(1) 「自由にして規律ある人格」
(2)「幅広い教養と人間性 豊かな専門的職業人の育成」
(3)「地域社会の文化の向上 と福祉への貢献」
を教育理念 とし、その下で学生達と教職 員の人格的触れ合い、教育と 研究を通して、人間形成を目 指しています。各学科専攻は、 栄養士、図書館司書、保育士、 幼稚園教諭などの国家資格や 免許を保有する専門的職業人 を養成する機関であります。 ただ単なる専門家養成に留ま らず、今日の知識基盤社会を 支える教養教育、人間性、知 性、感性の調和した専門的職 業教育をカリキュラムの中核 に位置づけた本学の教育シス テムは、各分野で高く評価を 受け、卒業生は道東中心に多 くの官庁、企業、教育福祉施 設等で重要な立場や役割を担 い仕事、地域社会活動を展開 しています。
  専門学校は、介護福祉士養 成校の使命に鑑み、超高齢社 会を見通して医療・保健・福 祉の一体とした基礎研修を充 実させ、高い技術と幅広い教 養を持つ介護福祉士を送り出 し、各医療、福祉分野で高く 評価されています(就職率は いつも100%の実績)。
  道東唯一の中高一貫教育を 行い、進学・スポーツ・就職 等の学習成果が著しい武修館 中学・高等学校は、校訓を基 に自らの将来を自ら考え行動 できる人材養成を目指してい ます。校長以下、各分野の優 れた教員達のエトスとパトス によって、その成果が年々増 していますが、その他「文武 融合」「実務教育」「校訓の実 践(ボランティア活動)」等 の教育活動も釧路市はじめ道 東地域から高く評価され、他 校からも注目を集めていま す。
  附属幼稚園は、園長はじめ 一クラス複数の教員一体とな り「子ども達の遊び」を支援 する幼稚園として、また地域 のニーズを可能な限り受け止 めて、未就園児教室、預かり 保育の充実強化に努力してい ます。さらに父母会との協同 的な活動と短期大学幼児教育 学科との教育連携や研究活動 が盛んであり、他の幼稚園と は、ひと味違う魅力ある幼児 教育を展開しています。
  いずれも本学園・学校の教 職員は、教育理念、教育方針 等を理解した上で、教育(授 業)を展開し、学生・生徒・ 園児の学習過程、発達成長過 程を精一杯親身で真摯な態度 で支援に努めています。学校 は、学生や生徒等の「教育」 が中心であり、教育があって、 研究があります。教育が充実 していない学校は、ただの研 究機関であり、よい学校とは いえないと考えます。その重 責を担うのは、言うまでもな く教員であり、そして事務員 のサポート力です。わが学園 にはこうした教職員で構成さ れ、使命を持って日常の教育 を実践しています。
  これからも地域貢献型、地 域共創型の学園づくり、学生 ・生徒・園児中心の教育づく り、そして入学して満足する 学園づくりに邁進していく所 存であります。どうぞ、皆様 のご支援、ご鞭撻を賜ります よう衷心よりお願い申し上げ ます。